Look on the Bright Side of Things

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未来予測

未来を予測するのは本当に難しい。ソ連崩壊やパンナム倒産を予測できたSF作家がいないぐらい、未来はどう動くかわからない。
孫正義氏が自身の講演の中で300年後の未来という大法螺を吹いていて、脳型コンピューターとか人工知性について語っていたのだが、最後に「自身の引退を「危機」ととらえ、「孫正義2.0」の育成にも力を入れる」と言ったとあったのを見てちょいとずっこけた。バージョンアップに未来なんかない。パラダイムシフトこそが未来なのであって、だからこそ予測が難しいのだ。
発達や進化がバージョンアップみたいに数直線状のものであるなら、ソ連は今でも存在し、アポロ計画の後継計画が行われて月開発に着手してることだろう。物事には必ず行き詰まりが存在し、そこから先は新たな次元へと飛躍しない限りたどり着けないものなのである。行き詰ってみて初めてその次元が見えてくるものなので、まだまだいけると思ってるうちは見えない。
コンピューターにも必ず行き詰まりは存在する。電気を使う限り、必ず電気の特性による制限を受ける。電気以外の何かを動作原理として用いるものでない限り、そこを越えることは出来ないだろう。現在のコンピューターは突き詰めればスイッチの集合体である。根本的にはOn/Offの二つの値を取り扱うことしか出来ないのである。確かに高速に計算できるけれども、制御能力においては昆虫の微小脳にすら及ばないのである。
On/Offの二価以外の何か、は行き詰まらない限り見えてこない。それでもあえてコンピューターの未来を予測するのであれば、アリやハチなどの群体アルゴリズム、あるいは気体分子のランダムな振る舞いに答えを求めることになるのではないか。量子コンピューターなども模索されているようだが。我々の脳や肉体も脳をサーバーとするクラサバ型ではなく群体として動いているのかも知れない。