Look on the Bright Side of Things

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ゲーム脳の恐怖だよ全員集合

ItMediaのゲームページに乗ってる、http://plusdblog.itmedia.co.jp/gameman/2006/03/post_f240.htmlから、川端さんのページをたどって読んだ。
ゲイムマン氏はずいぶん前からゲーム脳に憤慨していて、と学会の山本弘氏や精神科医斎藤環氏などのインタビューを自身のHPに掲載するなど、そのいかがわしさを広く知らしめている。
さて、川端さんのページに書かれていた講演会の内容についてだが、いつもの風景だな、と。おいらが子どもの頃、テレビばかり見せると頭が悪くなるとか、ドリフの番組を見ると食べ物を粗末にしたり、下品になるとか、とりいかずよしの「トイレット博士」を読むと破廉恥になるだとか、心理学者やら教育研究家やらが蕩々と語り、PTAやお母様方はそれを錦の御旗として方々に苦情を申し立てたり、不買運動に走った。
いまだとゲーム脳もさることながら「クレヨンしんちゃん」やら「ロンドンハーツ」に矛先が向けられてるのかな。
俺の親父も、宮崎勤の幼女誘拐殺人事件が起きたときに、何故かそれまで購読していたジャンプやサンデーなどの週刊少年誌を読むことの禁止を言い出した。もちろん、親父はそれらを読んでなかったし、たまに眺めても文句ばっかり言っていた。「北斗の拳」やら「ジョジョの奇妙な冒険」などを喜んでる俺ら兄弟のセンスが理解できなかったようだ。当然、そんな親父のセンスは俺たちには理解不能だったし、アホなオッサンやなと蔑んでもいた。
そういう規制を掛けたい心理というのは単に自分が好ましいと思ってないだけのことであって、深く考えているわけではないのだ。俺にいわせりゃ悪人とはいえ、集団で取り囲んでリンチして挙げ句の果てに爆死させるような戦隊物は卑怯千万だと思うし、水戸黄門暴れん坊将軍みたいに権威を笠に着た大量殺戮が毎回行われるチャンバラ時代劇なんか、最悪の番組だと思うんだが。裁判もなく弁明の余地もなく、更正を図ろうともせず即決処刑なんだぜ?子どもに対する悪影響は、下ネタ番組よりこっちの方がよっぽど大きいはずだ。
構図的には「ボウリング・フォー・コロンバイン」で紹介されたのと同じ事だろう。コロンバイン高校の銃乱射事件についても、やれマリリン・マンソンの曲のせいだとか、「マトリックス」みたいなドンパチ映画の影響だとか、色々と槍玉に挙げられていたのだけど、事件を起こした少年が直前にプレイしていたボウリングについては何のおとがめもなかった。
それと同じく、潜在的に敵視しているものを叩こうとしているだけの話で、「ゲーム脳」はそれにお墨付きを与えてるのである。
つまり、問題なのはお墨付きを与える方じゃなく、潜在的な敵視が何によってもたらされたかだ。これには色々と理由があるだろうけど、根っこは子どもを信頼できない、あるいは子どもに信頼されていないことにあるんじゃないか。
子どもと一緒にゲームで遊んでれば、ゲームにそんなアホな影響を与える力など無いことぐらいすぐ解るんだけど、それもしてないぐらいに、子どもと距離が出来てしまっているんだろう。子を心配する親の気持ちはわかるんだけど、気に入らないものを叩くよりは理解しようとする努力をもっとした方が良い。それは好きな異性と仲良くしたいがために、その人の好んで聞く音楽とかを聞いてみようとするのと同じことじゃないのかな。