Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

三国志 The Three Kingdoms 第6部完

関羽亡き後、張飛をも失い、その下手人である范彊・張達が呉へ逃亡したことで呉に対する復讐に燃える劉備は諫めを一切聞かずに、大軍を動員して呉へ侵攻する。
国家存亡の危機に立たされた呉の孫権は魏に臣従するも援軍は得られない。窮した孫権陸遜を大都督に起用。陸遜はひたすら防備を固め、蜀軍に長期の滞陣を強いた。そして酷暑の季節が訪れ、暑さに辟易した蜀軍が涼を求めて山林中に陣を移動したのを見計らって、陸遜は火計を仕掛けたため、蜀軍は大敗し劉備は意気消沈して白帝城に篭る。
呉は魏に対抗するため、諸葛瑾を遣わして蜀に修交を求めるが、その会談の席で体調が勝れなかった劉備は血を吐き倒れる。命旦夕に迫るを悟った劉備は病床に劉禅諸葛亮を呼び、劉禅諸葛亮を父として拝礼させ、劉禅に才なくば諸葛亮が代わって蜀を取り大業を果たせと後事を託す。
劉備諸葛亮を去らせた後、劉禅諸葛亮にああ言ったのはお前のためだと明かした上で、以前から厳しく躾けていたはずの高祖本紀の暗謡を命じたが、劉禅は満足に答えられず、劉備は暗澹として息絶えた。


曹操亡き後の三国志演義は余談に過ぎない。三国鼎立のパワーバランスによって英雄豪傑の雄飛躍動が見られず、それを補うかのように諸葛亮の神算が誇張されるのがつまらない。結局、諸葛亮は何一つ成し遂げられずに世を去る。
劉備の最期の言葉を暗愚な劉禅への罵りにしてしまうとは。きっとあちらでは劉禅=バカの図式が定着しきっているのだろう。劉禅の声を吹き替えてる古谷徹もバカを巧いこと演じてる。
劉備諸葛亮への言葉も実は劉禅のために演技してたなど、最期まで本心を明かさず人を操る君子として描かれた。
夷陵の戦いにおける火計は壮絶に描かれていて、今話題の高速鉄道と違って手抜き感がない。