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Anderson's Blog - since 2005

オリの中のトラ

今期からオリックス・バファローズの監督を務める岡田彰布の本。口述筆記なのかいまいち定かでない文体なのだが、書いてあることはマトモな内容。試合に際して何もしないで勝つのが最高の采配ってのはそのとおりである。そこまで持っていくために事前にできる事は全てしておくわけである。必勝の態勢を作り上げて当然のように勝つ、これは勝負の鉄則であり兵法の極意である。
藤山寛美似の風貌とか、いしいひさいち描くひょっとこ面とか、坂田利夫と共演した「どんでん」のCMとか、しゃべり方とかでアホなのかと思ってたのだけれど、普通に頭のいい人のようだ。ただ、本の途中からどうでもいい話にずれ込んでいくので、その辺は阪神での監督業と同じなのかと思った。
阪神監督時代、暇があれば二軍の様子を見に行ったり、ありとあらゆる報告を上げさせたりと本にも書かれているとおり、できる事は全部やってきた様子なのだが、部下に任せきる、すなわち信じることが出来ないのでは名将とは言えない。跡を継いだ真弓監督が球場に着くとランニングしているのを見て、岡田にはそんな暇があるとは信じられないそうなのだが、真弓監督は人に任せることが出来るのかもしれない。任せるのが過大であれば部下は潰れて恨みを持つし、過小であれば増長や背信を生むことになる。任せるのはとても難しいし面倒だから、つい自分でしてしまう。任せる/信じるのは難しいのである。
その点で、野村克也はこの本のエピソードにあるように阪神監督時代、二軍監督をしていた岡田に「球の速い奴は誰や」と尋ね、岡田が推薦した井川を一軍にあげるなど、任せることを知っていたようである。