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Gyaoで大漢風を観る

3年ほど前にBS日テレで途中から観始めた「大漢風」。非常に良くできたドラマだったため初回からの再放送を切望していたが、なかなか実現せずにいた。Gyaoで視聴が可能だったのだが、Macに対応しておらず、観れなかった。最近になってGyaoMacにも対応するようになってて、土日を掛けて15話当たりまで観た。全50話なため物語はゆっくりと進み、やっと李斯が処刑され、鉅鹿の戦いと関中争奪へと望むところ。
韓信が亡き韓の貴族だったり、項羽と剣戟に望んだりと当然ながら正史に色々と味付けがしてある。しかし宦官である趙高にヒゲがついてるのは味付けしすぎだろう。去勢されると男性ホルモンが少なくなりヒゲが生えなくなるのである。後漢末に十常持ら宦官が誅滅される際、ヒゲのない役人が宦官と間違われて殺されそうになって、あわてて己の一物を見せて無実の証明とした話などもある。
編集によって端折られているのか趙高の悪辣さがいまいち伝えられていないのが残念。李斯を排除するために二世皇帝が遊んでる時に限って李斯の拝謁を許可して皇帝の不興を買うようにするなど、細かい策謀を繰り返しているのだが。
二世皇帝・胡亥を演じている役者の風貌はバカ殿を演じるのに最適といえよう。背筋がしゃんとしていなかったり、表情がだらしなかったりと良く演じている。ぜひ劉禅を演じてもらいたいぐらい。
以前は後半から観たため嫌な役を強調されすぎかと思った呂雉だが、親のいいなりに結婚させられ、夫には忌み嫌われで彼女なりに奮闘していた結果として描かれている様子。女が戦国を生き抜くためにはあれぐらい強かでないとというエールのようにも思える。
字幕では避諱を考慮せずに人名を張良とか項羽とか呼んでるのだが、原語ではきちんと子房、項郎とか呼んでいるようだ。この辺の感覚は日本人には分かりづらいが、「レッドクリフ」でも原語はちゃんとそうしていたようで、中国では時代物のお約束として継承されているのだろう。三国志演義を扱った漫画とかで「劉備さま」とか「諸葛亮孔明どの」とか呼び合ってるのを見ると、素人かよとゲンナリしてしまう。敬意を含んでる場合のセリフ回しとしては、姓+字、または姓+官職(立場)で呼ぶのが通で「劉玄徳」または「劉皇叔」とか「諸葛丞相」とあると、それだけで大いに好々となる。
2日に渡って中国語を聞き続けたせいか、普通のTVを音声を控えめにしてBGMとして流していると、日本語なのに中国語として聞き取ろうとしてしまう。脳って不思議。