Look on the Bright Side of Things

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クリア後の感想

欠点はあるものの、おおむね良作。PS2RPGの最高峰と認定。俺はRPGをあまりやらないけど。以下、思いつくまま列挙。

  • ストーリー
    • 人間の物語であるところがよい。DQみたいに魔王を相手にするのはつまんない。DQではラスボスのドラマが描かれることはないので重みがない。
    • 主人公が薄い。冒険をする動機が見えない。しかし、そのお陰でやらされ感が薄れているのかも。
    • ジャッジの存在が薄い。もっと前に出てきても良かったのでは。特にバッシュとガブラスの因縁を描き足りていない。
    • 意味不明なセンテンスが飛び交うなど、ストーリーについて行けない場面がある。このボリュームでは2周して確認しなおすのは辛い。
    • 重要なキャラがヒュムとヴィエラだけなのは勿体ない。シークやバンガはもちろんのこと、モーグリもパーティに入れて欲しかった。
  • システム
    • 召喚獣が使い物にならない。MPを大量に消費するのだからバランスが崩れるぐらい強力にすべき。
    • モブ狩りが面白い。むしろこのゲームのメインといっても良いぐらい。
    • ガンビットとシームレス戦闘がよくできている。ただし前衛を無視して後衛が狙えるのは面白くない。バックアタックの恐ろしさが味わえない。
    • 自由に空が飛べないのが痛い。空賊に憧れる少年のお話なのに。ロード時間などを考慮した結果かも。
    • 戦利品を売ってお金に換金するシステムはユニークだと思うが、換金するか、アイテムとして使用するかを選択できればなお良かったかも。
    • ミストナックが使いづらい。MPを全て使い切るのはリスクが大きいのに、それに見合った効果を出すのが至難である。使わなくても充分クリア可能だけれども。
    • ストーリー進行上、到達しているであろうレベルにそぐわない強力な敵がうろついていたりするので、常に緊張感を持ってマップを巡ることが出来たのが良かった。
    • シームレス戦闘のお陰で、逃げ回ってバトルを回避できるのがいい。HPが少ない状態で強敵に追っかけられるとスリルを味わえる。
  • グラフィック、サウンド
    • 街並やそこにいるキャラクタ、モンスターのアクションなどなど、作り込みが凄い。しかしPS2の限界のため、マップ切替が頻繁に発生するのは痛かった。
    • マップが広い上に美しい。新しいエリアに到着すると観光している気分になれるほど。
    • イベントシーンのリアルタイムデモは素晴らしい。豪華すぎる声優陣と相まって贅沢な出来。プリレンダーよりもリアルタイムの方が魅力的なぐらいよくできている。

RPGがストーリーを楽しむゲームであるとするなら、FF12は駄作かもしれないが、一つの世界を駆けめぐり、色んな出来事に遭遇し、洞窟や秘境を探索し、様々なモンスターと戦う過程=冒険を楽しむゲームであるとするのならFF12は満点に近い出来だ。広大かつ緻密で自由に駆け回れる世界が用意されているため、ひさびさに探検気分を味わえた。
特にモブ討伐がストーリーそっちのけで楽しめる。自分の走り回ってきた内容そのものが冒険なのであって、ストーリーなんかはどうでもいいのだとさえ思える。いっそのことモブ・ハンターを主軸とした番外編を作ってくれないものか。クラン本部や旅先でパーティを募り、山谷を駆け回って強敵退治に勤しみたいものだ。