梅田に行く用事があり、時間を都合してソニーストアでヘッドマウントディスプレイの最新製品であるHMZ-T1の先行体験をしてみた。
銀座のソニービルでは体験会が始まった先週土曜日に7時間もの待ち時間が発生したとのこと。かなりの注目を集めている。大阪でも開催されていたが結構な待ち時間が発生していた様子で、並びたくないから平日に都合がつくように色々策動したのである。
さて、大阪のソニーストアはオサレなロケーションである、西梅田のハービスEntの4階にある。ハービスEntはこんな感じで高級ブランドショップが山盛りにされている、クソ金持ち共のための空間と言っても過言ではない、私のようのなド貧民には縁のない場所。ビル内の調度もハイソ感に溢れてて、アレルギーを起こしそうになった。
さて、4階のソニーストアに入ると目的のHMZ-T1が3台並べられており、平日の昼間ということもあって待ち時間なしで体験することができた。手にとってどうやって着けるのかなと迷ってると、知的な感じのお姉さんが説明しつつウェットティッシュでHMDを拭いてくれて、装着を手伝ってくれた。ちなみに銀座店では椅子に座れるそうだが、大阪店では立ち見になる。
装着は慣れると簡単なのだが、最初は手こずると思う。視力がそのまま反映されるらしく、メガネを付けたまま装着しないとボヤケて見えないらしい。ちゃんと見るためには、首を振ってもずり落ちないぐらい、後ろのバンドをきつく締めるようにしてがっちり固定しないといけない。割と頭の大きい方だが、それでも余裕があった。巨大頭のトミーズ雅でも大丈夫なんじゃないかな。
装着して電源を入れる（お姉さんが入れてくれる）と起動メニューに入り、ここで表示されている文字などをボケずに見えるように、細かな調節を行う。得心がいったらメニュースイッチを押すと映像が表示される。
まずは映像ソースとして流されているスパイダーマンの新作映画のトレイラーを観る。スクリーンサイズは非常に大きい。画面の端を見るために目を動かすのが少し辛いぐらいに視野を覆ってくれる。スクリーンまでの距離感はよくわからない。いつも自宅では37インチモニタを2mの距離から見ているが、それよりも遠く、巨大に感じた。ソニーは20m先に750インチスクリーンという謳い文句を掲げているけれど、20mという感じはしなかった。
解像度は720pなので1080pには劣ることがハッキリわかる。しかししばらく視聴していると気にならなくなる。有機ELの発色はさすがで、黒浮きが全くしない。そのおかげで自宅の液晶TVよりも画が引き締まっている。
立体感については飛び出してくる感覚はあまりなかった。ソースが飛び出し感を強調したものではなかったのかもしれないが、でも奥行きはものすごかった。ビルの谷間を飛び越えるようなシーンがあり、高層ビルの上から地上を眺めるシーンはちょっとビビった。そしてそれらの立体表示については違和感を一切感じなかった。
昨今の3D映像に関しては劇場ではアバターとトロンレガシー、TVでは家電量販店で体験しているが、いずれもメガネのせいで光量も下がり暗く感じるし、どこかで脳に納得させて、立体として見ようとする努力が必要だった。しかしHMZ-T1では全くそのようなことを必要としない。とても自然に立体として見ることができた。
ひと通りトレイラーを観終わってHMDを外すと額に汗が。関電の原子力押し付け陰謀によって空調温度が28度なせいで暑いのである。
続いてPS3に接続されている方を試す。HMD3台のうち2台がトレイラーでゲーム(GT5)は一台のみ。これも待ち時間なし。装着して調整の後、体験を開始するとムービー鑑賞モードに入っていたので、オープニングムービーを見てみる。これも綺麗に見れたが、どうやら立体ではない様子。肝心のゲーム画面を見たくなったため、コントローラーを操作してゲームモードにして、サーキットを周回してみた。これも立体感を少し控えめにしてあるのか、奥行きをそれなりに感じるけれど、なんか妙な感覚。普段使ってる残像低減機能のないREGZA Z2000と比べると、ものすごく違和感がある。残像が全く感じられず、本当にその空間にいるような印象をうけるのだけど、スクリーンまでの距離が普段より遠いため、なんというか、幽体離脱してるような、夢を見ているような不思議な感じ。当然ながら頭を動かしてもスクリーンを観ることを強制されるし。慣れると没入できるのだろうか？
非常に興奮させられるガジェットではあるが幾つか懸念もある。メガネのせいなのか、装着がうまく行ってないのかわからないが、画面の端の方が歪むように見える。あと重い。時間が経つとうつむいてしまう。長時間つけると首筋に負担がかかるかもしれない。
購入をためらわせるほどの欠点ではないから、予約はキャンセルしない。あとは11月の到着を待つのみ。ヨドバシはちゃんと発売日お届けの公約を守ってくれるだろうか？
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