コンビニで980円だったので買ってきた。アシモフの同名作品をベースとしているが、中身はよくある機械の反乱物。出来はそれほど悪くない。たぶん零号原則が出てくるのだろうなと思ってたらやっぱりそうだった。原作では人間がロボットによって保護されている事には気付かないぐらい巧妙なやり口だったのだけど、そこは映画だからわかりやすくしないといけないのだろう。
ガジェットの一つに陽電子頭脳が出てきたり、アシモフのSFを読んだ者として、ちょっと嬉しかったりもした。
高校生の頃ファウンデーションシリーズの初期三部作やアシモフの他の作品をSFの「古典」として読んだのち、「現代」になって書かれた後期4部作を2000年頃に読んだときには、「え〜、そんなのありかよ」と何度もひっくり返りそうになった。自分の代名詞ともいえる「ロボット工学三原則」をあっさり覆したのには感銘すら受けた。
ロボット工学三原則は以下の原則からなる。
- ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
- ロボットは前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
しかし、これを組み込まれたロボットはしばしば矛盾に直面する。他者に危害を加えようとする人間を抑止できない場合、その事によって一号原則を破ってしまうのである。これによりロボットは機能不全を来してしまう。よってアシモフの作品世界のロボットたちは自ら一号法則に優越する、零号原則を作り出した。それは、「ロボットは人類に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人類に危害を及ぼしてはならない。」というもので、映画でも語られていたものだ。
人間社会においてもこれは当然の話で、部下は上司の命令に従わなければならないが、その事によって所属組織全体の利益を損なってはならないわけで、より高次の概念に従うべきなのである。人間の場合はそれを任意で選べるけれども、ロボットにはそれが出来ない。彼らの存在意義は人間と人類のための道具である事だからだ。
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