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Horizon Zero Dawn

昨年の12月、長年使っていたPS3にオサラバして、AmazonでセールしてたPS4を購入した。以来、様々なソフトを楽しんでいる。PS4は2013年にリリースされていて、「アンチャーテッド」の完結編や、「God of War」の続編などを遊びたくて、ずっと購入したかったものの、2012年に勤め先からリストラを食らってしまってからは、なかなか懐具合が温まらず、最近になってようやく購入できた。
一番最初に遊んだのは「STAR WARS JEDI Fallen Order」でその後、「Uncharted Thief's End」、「God of War」、続いて「Marvel's Spider-Man」に「Titan Fall 2」、「Infamous Second Sun」「龍が如く0」と楽しんできた。当然ながらPS3よりも技術や規模が進化しており、内容に圧倒されることが多い。
なるべくセールで安売りしているソフトを狙うことにして、セールの機会を逃さず購入しているために、積みゲーがいくつか溜まってきていた。
できればどんどん消化していきたいのだが、育児と家事を終えた夜10時ぐらいからあまり夜ふかししない程度に遊んでいるために、なかなか捗らない。そもそもたくさんのソフトを消化するタチではなく、クリア後も周回プレイをしてストーリーを楽しむ方なので、PS3のときは一年に2本以上のソフトを買うことがあまりなかった。
PS4本体とセットになっていた「Horizon Zero Dawn」と「Detroit Become Human」も本体購入後、半年以上放置されていた積みゲーだった。特に進んで遊びたいわけでもなかったのだが、なんとなくとっつきやすそうな「Horizon」を選んでプレイし始めた。
「Horizon」はオープンワールドアクションロールプレイングゲームRPGは時間食うし、ストーリーは大概かったるいからあんまりプレイしたくないほうで、つまらなかったらすぐやめようとプレイを始めたら、コレがとても素晴らしいゲームですっかりハマりきってしまった。
オープンワールドは「Spider-Man」で体験したのが最初かもしれない。街のどこにでも行けて、気ままにミッションをこなしていけるのはとても楽しい。「Horizon」はもっと徹底してて、最初のチュートリアルを終えたら、ほぼほぼ制限無しでどこまででも行ける。最初のうちはあんまりにも遠くまで行けるので不安になってしまうぐらいだった。

ソフトをスタートして初めて、これがPS3の「Killzone」の2、3の制作元である、Guerrilla Gamesの作品だということを知った。両作品ともアートセンスが優れていて、割と楽しめたゲームだった。特に3の立体視はかなりの大迫力だった。
そのセンスは「Horizon」でも十全に発揮されて、世界描写はもちろん、機械獣のデザインもとてもかっこよかった。


かつて繁栄を誇った文明が滅びて1000年後、文明レベルが中世程度まで後退した世界で、主人公が自身の出生の秘密に迫りつつ世界の謎を解き明かしていく、という「風の谷のナウシカ」みたいでありがちな物語設定ではあるのだが、そこで提示される前文明(我々の21世紀文明)の運命が、他でなかなか見られないぐらい過酷な設定だった。
ゲームの中では前文明が崩壊し、人々が抗いつつも絶滅していく様子が、これでもかというぐらいに沢山のテキストなどで克明に示され、主人公アーロイとともに追体験することになる。

以下それらバックグラウンドについてネタバレしていく。すでに発売から2年以上経過しているし、Wikipediaにも全て紹介されているから隠す必要もなかろう。

ただし、これらの事項はゲーム内でおいおい語られていく内容なため、未プレイ者が予め知ってしまうとゲームのシナリオは楽しめなくなるかもしれない。

 

西暦2030年頃、世界は環境破壊による温暖化などにより、飢餓や紛争が蔓延し人類文明は衰退の危機に瀕していた。そのころ、創業者テッド・ファロ率いるファロ・オート・ソリューション(FAS)という多国籍企業が興隆しはじめていた。FASは人型ロボット「サービター」や万能端末「フォーカス」などを主力商品とし、大いに成功を収めていた。FASはさらに若き天才科学者エリザベト・ソベックを迎え入れ、彼女の優れたAI技術とオートマトン技術により、FASの製品は環境破壊を回復させ、経営者であるファロはその功績を大いに称賛され、FASは世界有数の企業に成長する。


西暦2048年、世界一の大富豪となったファロはさらなる富を求めて軍事ロボット分野に進出するが、AI及びオートマトン技術の軍事利用に反対するソベックはファロと袂を分かった。
ソベックを失ったものの、FASは軍事分野でも成功を収め、新たな軍事AIシステム「チャリオット」シリーズ、通称:スワームをリリースする。「チャリオット」シリーズは相互にネットワーク化された独立型AI戦闘マシン群によって構成され、自己修復機能、増殖機能、周囲の自動戦闘システムへのハッキング機能、そして緊急時に周囲の有機体を補給物資として吸収し、任務を続行できるバイオマスコンバージョン機能を有していた。このシリーズは成功を収め、世界各地の紛争地域や企業の警備に投入されるようになった。


しかし、2064年の秋、ある地域で用いられていた「チャリオット」シリーズにエラーが発生し、外部からのコマンドを受け付けず、自己増殖を繰り返し始めた。もともとが軍事用なため、強固なシステムセキュリティを有していたが、テッド・ファロの指示により、不必要とも思えるほどの強力なプロテクトを施されていたため、システムをシャットダウンしようとする試みは全て失敗した。軍事力による制圧作戦も、自動戦闘システムはハッキングされるために人力での攻撃しか行えず、決死的な攻撃によって個体数を減らしても、すぐに修復、増殖するために効果が望めず、事態は悪化の一途を辿った。
世界的な非難にさらされて窮したテッド・ファロは、袂を分かったエリザベト・ソベックに助けを求め、その天才的な頭脳によって穏便な解決法を探るよう依頼する。

しかし、ソベックが辿り着いた結論はファロの甘い期待を残酷に打ち砕くものだった。システムへのアクセスが不可能となっただけでなく、自己増殖を繰り返すことで補給物資の欠乏に苛まれた「チャリオット」シリーズはその状況を緊急事態と判断し、バイオマスコンバージョンを無制限に行うようになってしまっていた。そして現有のいかなる軍事能力を持って破壊を試みたとしても、スワームの増殖速度を超えることはできず、およそ15ヶ月程度で人類を含む地球上の全ての有機物を分解吸収してしまう、つまり人類を含めたすべての生物の死滅が不可避となっていた。この事態は後に「ファロの災禍」と呼ばれるようになった。
「チャリオット」シリーズのプロテクトを破ること自体はブルートフォース攻撃によって可能ではあるが、理論上、プロテクト解除に半世紀以上かかるため、人類死滅は避けることができない。ここに至ってソベックは現行人類の生存を諦め、人類を含めた可能な限りの種のDNAデータを収集・保存して一旦封印し、全てをAIシステムに委ねるプラン「プロジェクト・ゼロ・ドーン」を立案し、それは米国統合参謀本部議長の承認を得た。

 


「プロジェクト・ゼロ・ドーン」は中心となるAI「ガイア」及び9つの副次AIによってフェーズごとに遂行される。
その主たる目的はスワームによって崩壊した環境及び生態系の再構築、つまりテラフォーミングであり、最終目的はテラフォーミング完了後の人類の復活と文明の継承である。


予備段階:ガイア及び各種システムの開発のため、少しでもスワームの侵攻を遅らせて時間を稼ぐ。しかし、人類絶滅が不可避であることは多くの人々には秘密とされ、「ゼロ・ドーン」は戦局を覆す超兵器としてのみ知らされており、人々はそれを信じて損耗を度外視した軍事作戦「不滅の勝利作戦」に身命を投じた。


第1段階:完成したガイアをユタ州キングスピーク山中の岩盤地下、その他の副次AIシステム群を世界各地の地下施設に安置し、スワームの探知と攻撃から隠蔽し、サブシステム「ミネルヴァ」によるプロテクトの解除とスワームのシャットダウンまで休眠する。そしてその間に人類を含む地球の全生命体は一旦絶滅する。


第2段階:半世紀後の2110年頃に「ミネルヴァ」によるプロテクト解除、及びスワームのシャットダウン完了後、サブシステム「エーテル」と「ポセイドン」が「ヘファイストス」の構築した自動機械を駆使して大気と水を浄化する。


第3段階:サブシステム「アルテミス」「デーメーテール」が動植物の生態系を再構築する。


最終準備段階:チェックシステム「ハデス」による環境復旧の査定。テラフォーミングの試みは前代未聞のことであり、叡智の結晶とも言えるガイアであっても難事業であるため、復旧した環境が人類の生存に適さない場合も起こりうる。その場合は「ハデス」が一時的にガイアから主導権を譲り受け、再テラフォーミングにむけてその時点での環境を破壊してゼロに戻し、第2段階からやり直しとなる。


最終段階:「エレウシス」による人工子宮を用いた人類の発生と養育。発生した人類は「アポロ」によって十分な教育を受け、人類文明を継承・復活させる。


プロジェクトの第一段階までは「不滅の勝利作戦」などの多大な犠牲を払いつつも順調に遂行された。
2066年にゼロ・ドーンプロジェクトの関係者は残された任務を完了させるために、各システムとともに残りの生涯を互いに行き来はできない各地の地下施設で送ることとなった。しかし、プロジェクトリーダーのソベックは事故により地下施設を離れて行方不明となる。
そしてプロジェクトの中心メンバーの一人となっていたテッド・ファロは罪の意識に苛まれるあまり、その罪を人類文明そのものに転嫁し、それを生まれ来る次の世代に受け継がせてはならないとの妄念に取り憑かれ、同じシェルターに避難していた反対メンバーを抹殺し、「アポロ」システムを破壊してしまう。かくして人類の文明継承は行われなくなってしまった。


ゼロドーンに関わった僅かな人々を残し、人類は絶滅し、大地は不毛と化し、海からも生命が消え、大気は呼吸不可能となった。バイオマスコンバージョンができなくなったスワームも停止し、休眠状態となった。地球は死の星と化した。
ソベックは最短で2360年頃には最低限のテラフォーミングを完了させられ、その20年後には人類文明を再度世界に広げられると見積もっていた。プロジェクトは概ねソベックらの計画通りに成し遂げられたが、ファロの妨害によって文明は継承されず、復活した人類は未開状態から各部族に別れ、部族ごとに新たな文化・文明を発達させていったが、およそ西暦3000年に至ってもその発達進度は中世レベルに留まっていた。
また、テラフォーミングプロセスは未完了であり、そこかしこでガイアとサブシステムが駆使する機械獣が土壌の改良や汚染物質の除去を行っていたが、無知のままに復活した人類にはその意味を推し量ることはできず、機械資源目当てに機械獣の狩猟が行われていた。


西暦3020年、ガイアに出処不明の謎のシグナルが送られる。そのシグナルによってガイアのサブシステムAIが自我を持ち、ガイアのコントロールを外れ、そのうちのハデスがガイアの制御を乗っ取ろうとし始める。ハデスの活性化は人類を含めた地球環境の破壊につながるため、窮したガイアは自爆することで全システムの凍結を図ろうとする。しかしガイアが失われてはテラフォーミングが未完となり、いずれ環境の崩壊が避けられない。ガイアは自らの再構築を担わせるため、エレウシスの一つにエリザベト・ソベックのクローン産生を指示した。ソベックのクローンはDNA自体が全システムへのアクセス権を持つため、たとえクローンであってもいずれ全てのシステムを理解し、ガイアを復活させてくれると期待した。
ハデスはガイアもろともの停止を避けるためにウイルスプログラムを放ち、各サブシステムを切り離して自らもガイアから離脱する。
ガイアはウイルスプログラムによって他に有効な手段を講じられないまま、自らのシステムを収めた山麓ごと自爆し、そのさまは遠く離れた地からも目撃されるほどの天変地異となった。それを目の当たりにしたカージャ族の王は神の怒りを見たと錯乱し、怒りを鎮めるための生贄を求めて周辺への侵略戦争を始めてしまう。
もはや統制の取れなくなったゼロドーンの各システムは独自に活動を行うようになり、人類の保護を主目的とはしなくなってしまっていた。なかでも機械獣を産生するAI、ヘファイストスは機械獣を狩猟の対象とする人類を障害とみなし、人類に対して攻撃的な機械獣を投入してゆく。


ガイア喪失から10ヶ月後、エレウシス施設の一つを母なる女神と崇めるノラ族に(彼らにとっては出所不明な)一人の赤子が授けられる。生まれの不可思議さから忌み子とされ、ノラ族の中でも罰を受けて蔑まれる「異端者(Outcast)」の一人の男、ロストに預けられたその子はアーロイと名付けられた。「Horizon Zero Dawn」の物語はここからスタートする。

 

【PS4】Horizon Zero Dawn Complete Edition

【PS4】Horizon Zero Dawn Complete Edition

  • 発売日: 2017/12/07
  • メディア: Video Game