Look on the Bright Side of Things

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装甲騎兵ボトムズ

ロボット物TVアニメのなかで、タイトルのロボット名らしき単語が特定の機体を指していないってのはボトムズぐらいの物じゃないだろうか。のみならず劇中ではほとんどボトムズという単語が出てくる事もなく、ボトムズが指すであろうロボットの事は専らATと呼ばれていたという、とんでもないアニメだった。おまけにボトムズとはATの正式名称ではあるものの、最低野郎を指す隠語である、などと設定されていて、ヒーローっぽさのカケラもない。
だが、それが良かった。ロボットはただの道具に過ぎないし、だからといって主人公のキリコは無敵のヒーローでもない。しょっちゅう敗北し、ATを捨てて逃げ出している。暗くて無口で冷徹で人格的にも問題がある。つまり人間くさいのである(TVシリーズ後半になって貴種性が付与されたが)。
それを際だたせるためか、ロボットであるATには貴種性・ヒーロー性は付与されていない(元からそういうデザインを行ったため、キリコが逆に際だったのかも知れない)。デザインアクセントとなる飾りっ気がない。それでいて魅力を持たせるために純粋に実用美を感じさせるデザインが行われている。初代ガンダムのデザインはいまでは陳腐化してしまっている(その為、プラモやゲームではリファインがたびたび行われている)が、スコープドッグのデザインはいまでもその輝きを失っていない。そしてあの当時のままのAT達を操って、その気になって遊べるソフトがPS2ではやっとリリースされた(初代PS版もあるのだが入手困難な様子)。
ゲーム自体はそんなに難しくない。ゲームからキャラクター性をはぎ取ってしまえば稚拙かつ完成度の低いゲームにも思えるのだが、ATを操れる喜びがそれを圧倒してしまっている。ローラーダッシュしてアームパンチを放ち、ATを乗り捨てていけるのが、ゴッコ遊びとしてとても楽しい。しばらく熱中してしまいそう。ただし、オープニングCGのキリコだけはちょっとだけいただけないし、郷田ほづみのナレーションもいまいち乗り切れてない感がある。

装甲騎兵ボトムズ

装甲騎兵ボトムズ