この日は最初から最後まで後進の指導。最近になって少し自分のレベルが上がったのか、彼らの行う動きを見るに付け、手足の不統一がとても気になる。一体となって動くべきなのだが、どちらかが先に動き、残りが追随しており、それが捻れを生んでいる。自分もそうだったかわかるが、その捻れをカバーするために力を使ってしまう。そしてその力を入れるのが使い応えのようにさえ思ってしまう。そうじゃないのだと説明しても、手足を統一した動きは最初のうち、頼りなく感じてしまうため、旧来の使い心地を良しとしてしまい、なかなか理解してもらえない。芯から疲れれば、いやでもそういう使い方をせざるを得なくなってくるのだが、そこまで時間をかけられない。自分で気付く他は無いのだ。
指導に際して、身体の技巧を云々するよりも、意識の持っていきかたを注意する事が多くなってきた。幸いにして性根の素直な人を相手にする事が多かったから、そういう指導方法を磨く事が出来たのかもしれない。心がけ一つで技の冴えがガラリと変わるのが、とても面白い。
稽古後、師匠の許しが出たので久しぶりに稽古後の一杯を堪能した。あまりの旨さに平日禁酒の誓いを破ってしまいそうだ。でも我慢我慢。
