Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

走る稲妻

いつものように歩いて帰宅していると、暑く湿った夏の空気の中に、ひんやりとした風を感じた。もう秋が訪れようとしているのだ。
20時半頃より、夜空の雲がパッパッとフラッシュし始めた。西の方から雷、すなわち遅めの夕立がが近づいているようだ。近頃、稲光と雷鳴を観察していなかったので、じっくり見たかったのだが、私の進行方向は東であるから雲に映る稲光の反射しかわからない。途中、行きつけの店で夕食を済ませて、表に出ると案の定ポロポロと降り始めた。空は相変わらず時おりフラッシュするものの、雷鳴はあまり聞こえてこない。かなり上空、もしくは遠くでなっているのだろう。そのうち雨脚が強くなったので、途上にあるマンションの入り口で雨宿りをしつつ雷鳴を楽しむ。かなりの豪雨となってきて、肩をそばめながら大して役に立っていない傘に隠れて家路を急ぐ人たちをのんびりと見やる。所詮、夕立だから無理して雨の中を突っ切らず、しばらく雨宿りしたらケロッと上がって、後は涼しい散歩を楽しめるというのに。まぁ、人それぞれ急ぐ理由もあるのだろう。
とはいえ、ずっと振られたりしたら俺も困る訳で、W-Zero3でネットにアクセスして雨雲レーダーで雨雲が淡路島辺りで切れている事を確認した。いい時代になったものだ。

予想した通りに雨がやんだので、雨上がり後の爽やかな夜風を楽しみつつ、家に向かうと、私を追い越した雷雲が前でビカビカ光っていた。見晴らしのいいところでしばし歩みを止め、雲の間をめまぐるしく縦横に駆け回る稲妻を見物する。テレビで見た光景に記憶が書き換えられていたのか、稲妻は一瞬明滅するだけだと思いこんでいたのだが、本当に起点から終点を求めて走るのにはちょっと驚いた。雲の中の一点から発した稲妻が、ある場所でさっと四方八方に散ったり、突如進行方向を変えてUターンして見せたりと、その様には生き物のような脈動を感じる。稲妻の輝きは美しくもあり、恐ろしくもある。動きに予測が付かないだけに、原理的にはわかっていても、自分のところに向かってくるのではないかとたじろいでしまう。