元旦に「硫黄島からの手紙」を見て以来、硫黄島攻防戦の詳細を色々と調べている。とりあえず本を3冊購入し、一册読み終えた。
作者は小笠原兵団の参謀をしていた人で米軍上陸前に硫黄島から父島に異動した人物だ。なので穴堀の労苦や戦闘の体験話などは伝聞をもとにしてある。栗林中将が生前、家族に当てた手紙が巻末に掲載されており、着任当初から死を覚悟していたことがわかる。
栗林中将は決戦主義や玉砕突撃を禁じ、少しでも敵に出血を強いて、本土上陸を出来る限り遅らせようと頑張った訳だが、そのおかげでいろんな人の運命が変わったように思う。あっさり失陥してれば、もっと早くに戦争が終結していたかもしれない。そうすれば死なずに済んだ人が一杯いただろう。
栗林中将一人のせいではないけれども、ひとつ所に固執、執着すると大きな歪みを生じ、その歪みはいろんな禍いをもたらすわけで、歪みの大元をたどれば君主無問責にいきつく。誰も責任を取らないから歪みが是正される事が無くなり、破滅するしか無くなったのである。近頃評判を落とした不二家もその類であろう。
- 作者: 堀江芳孝
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 文庫
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