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戦争のはじめかた

バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた」を観た。最初に、この邦題を付けた奴はセンスがないから職を変えた方がいい。内容にまったく合わない最低の邦題である。DVD版は頭に原題を付けているからまだいいが、公開時にはそれがなかったそうだ。
この映画、1989年、ベルリンの壁崩壊直前の駐独米軍の腐敗を、告発側ではなく、腐敗の当事者の視点で描いている。物資の横流しはするわ、麻薬の製造はするわ、演習中の戦車兵がラリってるわで、凄まじい腐りっぷりなのだが、内容は取材をもとにしている。って事は誇張があるにせよ、腐敗は事実なのだろう。
雰囲気はそんなに重苦しくもなく、ある種の悪ふざけを観ているようでブラックで笑える内容。クールな主役のホアキン・フェニックスが良いし、エド・ハリスの情けない司令官振りも意外性があっていい。スコット・グレンの鬼軍曹もはまってる。
英国・ドイツ合作映画で、トロント映画祭で好評を博した後、いざ全米公開の段になって、ビンラディンジェット機特攻が行われたため、反軍的な内容もあって長らくお蔵入りになってしまった不運な映画だったりもする。
こういう映画の自衛隊版を作ったとしたら、スクリーンが破かれたりなどの騒ぎが起きるんだろうなー。