Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

にんげんだもの


つまづいたって
いいじゃないか
にんげんだ
もの

いい言葉だよね、って思った人はちょっとおつかれ気味かなと。おつかれ気味の人には偽善がよく効く。俺には相田みつをが偽善者にしか見えん。彼の書体や文体や詩は全て現実からの韜晦でしかないよう見える。
誰だって道を歩いているときに躓きたかないし、躓いたら早く立ち上がりたいだろう。なんで「いいじゃないか」などと許しを得なきゃならんのだ?甘えじゃんかそんなの。なんど躓いてすっ転ぼうとも、埃を払って立てばいいだけの話。立てなければ目的地には着かない。「いいじゃないか、にんげんだもの」などと言ってたらそのままそこで腐っていくだけ。甘えんな。
一生懸命頑張ってつまづくならいい。でも最初から「いいじゃないか」などと思って物事に取り組むようじゃ失礼ってもんだ。全力でぶつかって壁にぶち当たるからこそ物事は面白いのだ。
「つまづいたって、いいじゃないか」で終わらず「にんげんだ もの」などと続けるのは単なる開き直り、居直りで醜悪そのもの。こんなの何でも続けられるぜ?「ウソついたっていいじゃないか、にんげんだもの」とか、「ネコババしたっていいじゃないか、にんげんだもの」とか。

もちろん、鬱な人には相田みつをの言葉も薬になるかもしれん。だけどこれは偽善。真に優しい言葉じゃない。疲れてしまって自己否定に走る鬱な人には、相田みつをみたいなオブラートに包んだ現状肯定や開き直り、居直りなどの偽善を与えるより、あからさまな植木等のスーダラ節の方がよっぽど効くんじゃないか。許しも乞わなければ善処もしない。思いっきり居直ってるくせに、罪悪感のカケラもないぐらい楽しそうなんだもの。