ロバート・ワイズ逝く

合州国の名映画監督、ロバート・ワイズ氏が9月14日に亡くなられたそうだ。享年91歳。氏に特に思い入れがあるわけではないが、SF好きの私にとっては「アンドロメダ…」と「スタートレック」一作目の監督として記憶されている。
両方ともテレビで幾度となく観ており、手堅い構図と編集でなんともいえない緊張が迫ってくる作品だった。
「アンドロメダ・・・」の方は何かのドキュメンタリーのような構成も取ってあり、正体不明の病原体の不気味さもあいまってSFにありがちな現実との乖離があまり感じられない。それがまた緊張を強いるので、CGや特撮なんかあまり使わなくとも立派なSFが撮れることの証拠にもなっている。
両作品とも派手な爆発は余り無く、アクションも少ない。現今のSF映画に比べれば静謐といっても良いかもしれない。ハリウッドSF映画といえばチェイスとアクションと爆発が必須となってしまっているが、この両作品のような落ち着きを取り戻して貰いたいものだ。ちなみにロバート・ワイズ氏の代表作は、「ウェストサイド物語」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「砲艦サンパブロ」などで、いずれも20世紀の名作に挙げられる作品。氏のご冥福を祈る。