Look on the Bright Side of Things

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阪神優勝秒読み

ついにマジックが点灯し、リーグ優勝目前となった我らが阪神タイガース。昨夜も快勝だったが、1985年に優勝するまではダメ虎といわれ続け、長い低迷の時代が続いていた。親父が虎ファンなので自然と私もタイガースファンになったが、幼い頃、阪神の試合を見るのは嫌だった。なぜなら親父の応援ぶりが尋常ではなかったから。
大抵の場合、試合はナイターで行われる。親父は自営業だったから試合開始時には既に食卓に着きテレビなり、ラジオ中継にかじりついている。なにか話しかけても「うるさい!」と怒られてしまうので、食卓では父を除いた家族で話をすることに。しかし、それもうるさくすると親父が「静かにしろ!」と怒鳴る。マジで怒ってる。
それでも勝っている内はまだ良い。逆転されたり、逆転のチャンスをゲッツーや三振で逃したりすると、眦を決して「なんでこんな奴を使うんじゃ!辞めてしまえ!」とか大声で怒鳴り始める。当然食卓は凍りつき、食事も不味くなる。当人は最初から食事の味など何とも思っていない。ナイター中継に心を奪われ、供されたものを機械的に口に運んでいるだけになっているのだ。
ダメ虎時代、阪神は負けることが多かったので、ナイター中継のある日は大抵の場合、夕食は親父の怒号に晒され続けることになる。そして親父は機嫌がずっと悪くなるので、些細なことでも滅茶苦茶怒られてしまう。ナイター中継直前にアニメ「侍ジャイアンツ」の再放送を見ていただけでも怒鳴られてしまったことがあった。
とにかく当たりちらすのである。実況中のラジオを掴んで放り投げるし、朝日放送の植草アナがテレビに出ただけで怒るし(植草アナが実況したら阪神が負けると堅く信じ込んでいる)、掛布の出ているCMを見たら「こんなもん出る暇があったら練習しろ!」と怒るのだから、あんた何様のつもりやねんと我が親ながら呆れてしまう。

そのため、野球シーズンが続く4〜10月の間、楽しい夕食というのはあまり記憶にない。阪神の試合中継がない日、親父は仕事を夜8時までつづけて夕食に現れることがほとんど無かった。

だからなのか、私はファンのクセして阪神が負けても悔しいとか、機嫌が悪くなるとかいうことはない。試合中も淡々と眺めているだけである。勝った時だけちょっと喜ぶがそれも長続きはしない。たかが野球中継如きで動揺し、子どもに八つ当たりするような大人にだけはなるまいと誓っていたからかも知れない。

あれほど激高していた親父だが、年のせいか阪神が優勝を果たしたせいか、最近はすっかり好々爺になってしまっている。もっと早くそうなってくれていたら良かったんだがなぁ。

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