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変な学術研究2

連休の間にたまっていた用件をさっさと片づけて昼から出張に出かける。活字中毒の私は出張となると必ずお供に書籍を買い求める。今回は時間がなかったので書店内をじっくり見る間もなく、科学雑誌とタイトルだけ見て面白そうだった文庫本「変な学術研究2」を買う。
新幹線に乗って一路出張先へ。山陽新幹線はトンネルが多い。前から関西以西への出張は妙に疲れると感じていたのだが、やっと原因が分かった。トンネルが多すぎて、気圧の微妙な変動が延々続くからだ。キュッと締められ、緩んでまた締められてを2時間以上も連続して繰り返されたら、そりゃ疲れる筈だ。これからは出来るだけ飛行機の利用を検討することにしよう。
出張の用件をチャッチャとすませて夕食へ。科学雑誌は車中で読み終えたので、文庫本を読みつつ食事をしたのだが、本の内容を見て少し引く。本の言う実験とは、変わった自殺方法についての法医学者達のレポートをまとめたものだったのだ。食事時に読むもんじゃねえよと毒づきながらも、他にすることが無く渋々読み進めるうちに、面白くなってきて、クスクス笑いだしてしまった。著者がフランス人だからかエスプリが利いていて、不謹慎ながらも笑ってしまうのである。
人間って奴は本当に不思議だ。エクスタシーを得るために自分をラップでぐるぐる巻きにしたり、窒息の快感を得るためにショベルカーで首を絞めたり、ナイフを皮膚に突き立てる仕組みを組み上げて、間違って死んでしまうのだから。
ある人は致死量の殺虫剤を飲んだ後に2丁の銃を左右のこめかみに当てて引き金を引いたりしたのだが、殺虫剤の必要はなかっただろうに、と感じるのは彼の絶望度合いへの共感が足りないからかもしれない。
それらの例に共感を感じられない未熟な俺としては、掃除機に局部を吸わせてしまって重傷を負った人たちがいずれも掃除中に起こった偶発的な事故である事を強調しているということに人間らしさを感じた。
一番救われないのは狩猟中に立てかけておいた猟銃の引き金を飼い犬である猟犬に引かれてしまい、おそらく人類史上初めて犬に射殺されてしまったハンターだろう。南無〜。

変な学術研究 2 (ハヤカワ文庫NF)

変な学術研究 2 (ハヤカワ文庫NF)