Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

どこを直すか?

後輩の指導をしていると、どうしても自分の理想通りに直したくなる。もちろん、自得するのが一番良いので出来るだけ我慢してるのだが、進歩が見られない場合や、明らかな考え違いをしていると、声を掛けざるを得ない。
その際、一番真っ先に直すのはどこかというと、足と、目線だ。土台となる足が間違っていれば、その土台の上に成り立っている技は全てうまくいかなくなり、悪癖の元となるし、目の付け所が間違っていれば、向かう方向を誤り、姿勢も悪くなる。姿勢が悪くなると身体全体の力が使えなくなり、小手先の技でごまかすほか無くなる。すべての技は末端で使うのではなく、身体全体で使う。末端はただ力を伝えることに徹すべきで、末端で主張させてはならない。だから力を抜くべきなのだ。
しかし、直すにしてもそれは未熟な私のレベルから言えることだけ。どうしても直ってくれない場合もあるのだが、そういうときにふと師匠が近づいてきて、たった一箇所直すとグンと良くなる。その度に自らの未熟を痛感させられる。師匠と私では観ている世界がまるで違うのだろう。
師匠に受けてもらうのが一番良い稽古なのだろうが、師匠が何を観ているか、何を指向しているのかということを知るにおいて、後輩を指導する際の言葉ほど有り難いものはない。