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SW EP1の評価

StarWarsのファンであるため、映画に対する評価は常に下駄を履かさざるを得ず、SWはどれも無条件に好きな映画になってしまう。それでもちょっと無理して冷静になって、TPMについて評価を下すとするなら、駄作であると言わざるを得ない。
1999年に劇場で初めてTPMを観た時のガッカリ感は半端じゃなかった。ナンジャコリャ、というのが正直な感想だった。元祖三部作の特別編を劇場で見て、いよいよ待ち望んだSWの新作、ということでワクワクしながら劇場に向かい、オープニングの"A long time ago in a galaxy far, far away...."の直後のジャーン!と同時に飛び去っていくタイトルロゴを見た時はヤッター!という感動でどうにかなってしまいそうだった。
しかしそこからちょっとずつ幻滅が始まる。早くもジェダイが登場して、何の説明もなしにリビングフォースがどうのこうのと口走る。おいおい、ちょっと待て、これはファン向きなのか?Ep1と銘打つなら説明要るだろ、と訝った直後、毒ガスにたいして息を止めるオビ=ワンに「ハァ?毒ガスなめてんのかルーカス」と、程度の低さに呆れる。公開当時、化学兵器について少し調べていたので、息を止めてやり過ごせる毒ガスなど子供だましに思えてしまったのである。SWは超科学の世界が舞台なのに。
そこからライトセーバーを振るうジェダイの活躍にはちょっと興奮。ところがドロイデカに抗しきれずに高速移動で逃げ出すシーンにまた唖然。元祖三部作でも描かれていない能力を何の説明もなしに、分かりにくい構図で描いていて、これはひょっとして、ダメな映画ではないかと危惧し始める。
ナブーに場面転換してまたいきなり走ってるクワイガン。逃げ出さざるを得ない何かが起こったのなら説明すべきだろ、とどんどん置いてけぼりにされてしまう。そして満を持して登場した、このダメな映画の象徴の一人とも言えるジャージャー・ビンクス。明らかに場違いなキャラなのに、そこに居た理由の説明もなし。クワイガンも退けとも言わず、大丈夫かとも言わず、スタスタと立ち去ろうとする。その後なぜかさっき見せたはずの高速移動を使わずテレテレ走ってくるオビ=ワンとか、通商連合の目論見や今後の対応について議論もなしにジャージャーについていくジェダイ。フォースの導きだというのならそれを説明すべきだろと。この時点で、ルーカスはストーリーを進めることしか興味ないんだなと理解した。
そう、この映画はあまりにも説明を省きすぎている。そして何もかもが突然すぎる。ジェダイがフォースを使って人の意思を誘導したり肉体を強化し、先読みをしてライトセーバーでブラスターを弾き返せるのだ、ということは元祖三部作で説明されていたことではあるが、EP1を銘打つのなら、そして15年ぶりの新作ならばじっくり説明してしかるべきだ。説明を省きすぎなのは、物語展開が性急すぎるから。性急すぎるのはいろんな要素を詰め込み過ぎだから。おそらくルーカスは語りたいことや思いの丈を込めすぎたのだ。
元祖三部作のEP4の場面転換は非常に緩やかで、おおまかに言えばタトゥイーン、デススター、ヤビンと移るだけである。ところがEP1はナブー、タトゥイーン、コルサント、ナブーと移るだけでなく、その中でも場面転換が頻繁で、ラストは4つの戦いが同時進行する忙しさである。アナキンとジャージャーらグンガンにまつわるシーンを抜くだけで随分落ち着いた映画になって見易くなると思う。
事前情報でアナキンが子どもになるのは聞いていたが、ハッキリ言って大失敗だ。EP4で「親友で出会った頃には既に優れたパイロットだった」とオビ=ワンが語っているイメージは明らかに同年代の若者を語る様子だった。何かのインタビューでルーカスは、新しい年代のファンを獲得するため、子どもにウケるキャラクターということでアナキンを子どもにしてジャージャーのようなキャラクターを入れたと語っていたので、当初の設定を歪めてしまったのだろう。元々のEP6でアナキンを演じたセバスチャン・ショウはアレック・ギネスと同年代の俳優だったし(EP6の時に既に70歳を越えていた)。
百歩譲ってすごい能力を持っている子どもだからポッドレースでも優勝し、メカニックにも強く、戦闘機の操縦もこなせるのだとしよう。ならばそれに説得力を持たせる描写は最低限必要だろう。映画を見るかぎり、なんでこんな年端も行かない幼児が命がけの危険なレースに出て優勝してしまうんだという疑問しか沸かなかった。アナキンのレーサーも異常に速いし、セブルバのレーサーが分解した理由もさっぱりわからないし。
大体からして、子ども受けを狙っていなかったEP4を、子どもの頃に見た俺が終生のファンになっとるのだから、変に子どもに受けようとしなくていいのだ。勝手に好きになるのだから。
説明不足で場面転換が異常に早いため、終始取り残されっぱなしで迎えたラスト、大して活躍してないガマガエルがピース!とか喚いてエンドロールに入ってから、俺が15年間の間、楽しみで楽しみでたまらなかった、苦しい時にSWの新作を見るために頑張ろう、生きていこうと励ますネタだったものが、こんな無残なものであっていいのか?とガックリしたのを覚えている。字幕が悪いのかも知れないと吹き替え版で再度見なおしても、評価は変わらなかった。
こうだったら良かったのになぁという妄想もたくさんした。フォースについての説明を求める役として、アナキンを青年パイロットとして最初からジェダイ二人に同行させるのである。そしてみんなで通商連合の船から脱出し、ナブー王宮に不時着、銃撃からかばうなどしてパドメといい仲になりつつ、宇宙船をアナキンが操縦して自分の故郷タトウィーンに逃亡すると。奴隷の母を解放するためにパイロットで稼いでるという設定もいいだろう。その間にオビ=ワンとフォースについての会話を始め、強いフォースを持っていることにクワイガンも気づく。ジャージャーはグンガンごとカット。ポッドレースは何かのギャンブルに置き換えるなどして尺を縮める。ハン・ソロとランドがやっていたというサバックでもいいだろう。アナキンがフォースを使ってギャンブルに勝ってもいいし。あるいはダース・モールに襲われた際にオビ=ワンが取り落としたライトセーバーで戦って、その姿にクワイガンがアナキンの資質に確信を持つのもいいだろう。
パドメとの恋仲も進み、離れたくない想いからコルサントで契約解除のはずがナブーへ同行し(ハン・ソロみたいに金に執着させるのもありだ)。で、戦闘機パイロットに志願して大活躍。グンガンとポッドレースをカットすることで話もあっさりして、その分、説明を詰め込め、緩やかかつメリハリを効かせることも出来ただろう。ほんと、作りなおしてくれねぇかな。