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三国志 Three Kingdoms 31

曹操曹丕の傅役を願い出た司馬懿にそれを許さず、丞相の意に背いたとして許都から放逐する。孫権劉備の元に走りはしないか案ずる荀イクに対し、曹操司馬懿が曹氏の元を離れないと見抜いていた。荊州と江南の隆盛を座視できない曹操は、後顧の憂いを断つ為、西涼馬騰を亡き者にせんと、馬騰を大将軍に任じ、孫権討伐を命じて、馬騰が征路の途中、許都へ伺候した際に暗殺する計略をめぐらす。馬騰はそれを読み、計を逆手にとって息子の馬超、盟友の韓遂に内乱を演じさせ、曹操を頼ると見せかけて許都で反乱を起こすべく、許都の黄奎と示し合わせる。しかし黄奎の妻と密通していた苗沢が計画を曹操に密告したため放棄は失敗、馬騰は息子馬鉄と共に討ち取られ、黄奎は捕らえられて拷問に処せられる。不義不忠者を嫌う曹操は、黄奎の妻を褒美として要求した苗沢も処刑した。
黄奎は自害する前に共犯者を列挙した供述書を残したが、その中に曹丕の名前が記されていた。濡れ衣での逮捕を恐れる曹丕司馬懿に何があっても罪を認めないこと、罪を曹植にかぶせることを伝える。
曹丕曹操のもとに召喚され、執拗な尋問に耐える。必死に堪える曹丕の証言通り、黄奎の自宅より曹植の詩文が見つかり、二人が親密だったことが明らかとなり、曹操曹丕を許す。曹丕司馬懿の元を訪れ、曹操からの褒美を受け取る。そして司馬懿曹丕に、尋問に耐えたことを曹操が喜んでいるのだ、と明かす。
西涼討伐を決意した曹操曹洪徐晃を先鋒として派遣するが、命に反して馬超らの挑発に乗って大敗した曹洪に激怒。一兵卒に降格を命じる。


このシリーズは時々いじめられ役が現れる。最初は董卓にいじめられる王允、次は袁紹と許攸にいじめられる田豊、次は諸葛亮にいじめられる周瑜、そして曹操にいじめられる曹丕。面子を重んじる国柄だけに、屈辱に耐える姿が共感を呼ぶのだろうか?
曹操のなぞかけに答える主簿楊脩の小賢しさも描かれている。なぞかけの答え合わせを曹操に確認せず、事を進めてしまう軽率さが後の処刑につながるのだった。
曹操役を始めとして、いい役者を当ててるこのシリーズ、司馬懿役も実に素晴らしい。茫洋とした風貌の中に垣間見える怜悧さがたまらない。