Look on the Bright Side of Things

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宇宙戦争

関西テレビのゴールデン洋画劇場で放映していたものを観る。
パニックムービーとしてはよく出来ている。スピルバーグは観客をドキドキさせるのが上手。しかしSFとしては原作が100年以上前の代物だけに、陳腐さが漂う。100年前にこの内容を書けたH.G.ウエルズはとんでもない想像力の持ち主といえるが。人類のいかなる叡智を以てしても撃退できなかった宇宙からの侵略者も、地球自身の持つ免疫システムには勝てなかったというオチをあの時代によく書けたものだ。
映画は原作の筋を割と忠実に追ってはいるが、現代に状況を当てはめているのと、逃避行に焦点を当てていて、人類の抵抗をあまり描いていないため、SF映画としては少しオチが弱くなってしまっている。
現代の視点から映画に対して穴をあげつらうとすると

  • 宇宙人が高度な文明を持ってるにしては、地球に対する研究がおろそか。異星の毒物についてはよく調べていて当然なはず。微生物の存在を知らない文明とか無理すぎる。
  • 人類を絶滅させる手法が強引でガサツ。現代戦ですら制空権を握り、空爆を行ってから地上軍を投入するというのに。身内同士で争った経験がないとか、宇宙人はそういう発想がない連中だったのかもしれないが。
  • 地球を制圧する目的がよくわからない。ずっと昔から地中にトライポッド埋めとくようなタイムスケールで侵略するぐらいなら、他の手頃な惑星を自分好みに改造したほうがずっと効率的だと思うのだが。人類が肥料に適していて、増えるまで待ってたのかもしれないけれど、それにしても他の方法のほうが理にかなう筈だ。

各評論を見てみると、9.11テロの影響が見て取れるとか書いてるのが多かったのだが、ビルに飛行機を突っ込ませたどころか、大空襲で日本の主要都市を灰燼に帰した記憶はアメ公らにはないんだろうなー。侵略側の映画を撮ったほうが地が出て映画の出来がいいんじゃねえのか。