Look on the Bright Side of Things

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アバター3D

夜9時前の上映を見に行く。特別料金と言うことで2000円も取られた。シアター入り口で偏光フィルターの眼鏡を渡される。私のように視力補正のために普段眼鏡をしている人は、普段の眼鏡の上に偏向眼鏡を掛けて視聴することになる。
眼鏡の上に眼鏡を掛けているせいか、不慣れなためか最初の内は3D映像が分離した状態になるなどし、快適な視聴が行えなかった。睫毛にレンズが触れるぐらいグッと押し込むと割と自然に見れるようになる。しかし、ずり落ちてくるので上映中はずっと手で支えてなければならなかった。鼻の高さや顔の形、眼鏡の形状などなど、人にも依るとは思うが、普段の眼鏡の上に掛けると目とフィルターの距離が離れるために視野角が狭くなり、3Dの効果が薄くなるようだ。コンタクトレンズを使った方が良いかもしれない。映画館側でも眼鏡装着者に対する配慮が必要だろう。
あと気付いた点をいくつか。

  • フィルターによる減光が多少発生するために、生の映像では輝度が高めのようである。
  • 鼻筋に指を一本立てると途端に3D効果が消える。指に視点を合わせていないのに効果が消えるのが不思議*1
  • システム上、デジタル上映が必須になるのか、左右用に映像を分離しているために解像度が下がるためなのか、ハイビジョン映像を見ているような感じ。
  • 無限遠を自然に表現できていないような気がした。遠くにある一枚絵にしかみえない。
  • 無限遠とも関連するが、フォーカスを強制されるため、若干の違和感が発生する。手前のモノに視点を合わせてもボケていたり、その状態で遠くが鮮明になっていたり。
  • ただし、フォーカスについては上手く誘導するように配慮が行われている。これは3D映画の作法になるだろう。
  • 字幕も3Dとなり、登場人物の間に割り込んだりして面白かった。ただ3Dと字幕は相性が良くないように思う。

3D以外の内容については、特にどうということはない。未開人を教え導く救世主としての白人という構図。ダンス・ウィズ・ウルブスとかラスト・サムライとか。異人種・異文化を理解・制御可能だと思ってる傲慢さはなんとかならんか。
主人公が救世主として受け入れられるために、現地人の迷信や伝説につけ込んでる(それで恐れおののくぐらい、たわいのない連中だと思ってる)ところなんかもの凄く気に入らない。
昔は特撮スゲーとか良く思ったものだが、T2やマトリックスロード・オブ・ザ・リング以来、何とも思わなくなってしまった。よく考えるとどうやってるのかさっぱり分からないシーンとかたくさんあるのだが、自然すぎて当たり前に見えるのである。CGであるとの認識すらしなくなってきた。CGに見えて意外と映像トリックだったりするけれど。
特撮を同じくWETAデジタルが行ったロード・オブ・ザ・リングでも、ホビット族やドワーフ族と人間の身長差は遠近法とフォーカスを巧く使っていたもので、CGはほとんど使われていなかったりする。3D映画では使えない手法だろうけど。
ところで、字幕は"なっち"こと戸田奈津子だった。"Explosive"を「ダイナマイト」と訳してたりでナッチ節は健在である。いい加減引退して貰えないものだろうか。

*1:後日再見して解ったが、眼鏡の真ん中に受光部があり、ここでフィルター切替の同期を取っている。だから隠すと同期がとれなくなり立体に見えなくなる。眼鏡には電子回路が入ってるのだ