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タンパク質の一生―生命活動の舞台裏


人間、というか生命はタンパク質によってできている。それが細胞の中でいかにして合成・分解されているのかを解説した本。この手の本を読むたびに思うのだが、生命は本当によく出来ている。到底人智の及ぶところではないとすら思える。こんな巧妙な仕組みは自然に出来るものではないから、誰かによって作られたに違いないなどと言い出すアホもいるが、自然以外にこんな巧妙な仕組みを作れるものか。知性でどうこう出来るレベルの技ではない。知性を過大評価しすぎだよ。
我々の細胞の一つ一つは多様なタンパク質を合成・分解して生命活動を行っている。人体の細胞は60兆を越えるが、そのほとんど全ての細胞内で多彩な科学反応が起こり続けている。60兆もの微細なシステムを破綻無く協調させて動かすことは、およそ人智には不可能なことだろう。
一つの細胞は精密に設計され洗練された工場である。それは我々が持てる英知を全て振り絞って建造・運用し得るレベルの工場が全く粗野で雑然とした素朴な代物に見えるぐらい、洗練され高度に統合されている。サイズ自体は0.1mm以下と我々の通常の感覚では微細なものだが、その中で行われている反応を考えると、巨大な工場群と比較してなんら遜色がない。しかも恐るべきことにこの工場の設計図はたった一種類(ミトコンドリアDNAを別とすると2種類だが)しかなく、その設計図に用いられている文字は4種類しかないのである。
細胞一つですらよく出来ている、としか言いようがないのに、我々はそういう多彩多様な反応(生産・分解)を行う超工場が60兆基も集積した存在なのである。

タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)

タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書)