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「星を継ぐもの」読了

月で発見されたルナニアンの死骸を巡って様々な推測が行われ、その正体に付いて追い求める小説。ちょっと無理があるなと感じたのは、ミネルヴァを巡っていた衛星が太陽系内惑星軌道までそんなに早く到達しないだろうということ。ルナニアンが生き延びるのは無理な期間が必要だと思える。でないと速度が速すぎて衛星軌道に落ち着くのは無理だろう。
あと、ミネルヴァへ地球型生物を持ち込むとすると、同時に大量の菌を持ち込んでしまったはずだ。我々地球型生物は菌との共生を前提としているため、菌無しでは生きていけない。ミネルヴァ型生物がどのようなものか解らないのだが、仮に地球型生物と同様に菌の存在を前提としていたとすると、菌同士の猛烈な戦いが行われたはずだ。その戦いが地球型有利で終わらない限り、ミネルヴァヘの移住は出来なかっただろう。我々にとってはなんでもない菌が現住生物にとっては致命的な疫病を引き起こす(またはその逆)ことがあり得るのだ。その点で、ウェルズの「宇宙戦争」は示唆に富む先駆的な内容だったと思う。
将来我々が火星なりタイタン、エウロパなりの大気のある大地を踏みしめる時、いかに厳重な滅菌処理を行っても菌の持込は行われてしまうだろう。その菌がたまたま条件に有っていたならば、爆発的な繁殖が行われ、もの凄い環境破壊が引き起こされることだろう。菌には他の生物との拮抗があったとしても節操はないのだから。