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大漢風・項羽の最期

BS日テレの大漢風を観た。漢楚軍談最高のクライマックスともいえる項羽の最期である。史記では漢軍の追跡から逃れることを止め下馬した後、迫り来る数百人の漢兵を殺戮し、自刎して果てたとあるが、ドラマはその凄惨な死闘を忠実に再現しようとしていた。槍や戟を用いた立ち回りには見応えがあり、日本の大河時代ドラマもこれぐらいやればいいのにと思う。日本の俳優は槍を扱えないのか、馬上から刀で鎧武者を斬って捨てたりしているが、そんなこと出来るわけなかろうに。大漢風では馬上戦闘も槍や棍棒、戟を用いており、それらを駆使した迫力ある合戦シーンを描いている。効果音が貧弱なのが惜しいけれど。
項羽は漢の軍略の前に追いつめられたが、結局彼を殺すことは何人にも出来なかった。事実だとすれば恐ろしいほど強い豪傑だ。もっとも、劉邦をたたえるために、その敵を過大に描いている可能性もある。
項羽なき後の漢王朝の話は急速に陰険かつ陰惨な内容になる。見ていて楽しいものではない。特に有名な人豚の逸話などはおぞけをふるうほどだ。これも儒者による筆誅の可能性があるけれど。このドラマでも劉邦夫人の呂雉は大変な悪女として描かれている。中国の人には2000年以上に渡って嫌われ続けている、ある意味かわいそうな人だ。