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物書きの著作権知らず

唐沢俊一の盗用騒ぎがいまだに解決していない、というか屋上屋を架すがごとく、厚化粧に更に糊塗するがごとく言い訳と取り繕いを重ねる様が、何ともはや情けないし、醜悪である。
「無断引用」なる言葉を平気で使える奴がトリビアとか雑学を口にするのも笑えるのだが、この「無断引用」なる言葉は、何も唐沢の発明ではなくよく使われる誤った言葉でもある。「無断引用」という言葉を使った時点で、ああこいつは著作権のことを知らないのだな、と断じてよい。なぜなら引用とは最初から無断で行うものだからだ。
人様の著作を無断で自分の文章に取り入れる訳だから引用には厳しいルールが有って、主客が転倒しない、必然性を有する、引用元の著作を示す、ことが求められる。つまり、これは自分の文章構成上、必要が有って誰それから借りている文章です、ということが誰にでもわかるように示せるのであれば、引き写すのに許可を得なくてもいいのである。それがいちいち許可を得なければならないとしたら批評、論評、叙述などの様々な文化的な営みが停滞してしまう。故に引用は著作権に配慮した上でならば無断で行ってよいことになっている。そしてその要件を満たさない場合は引用ではなく、盗用ということになる。こちらは断ろうが断るまいが盗用は盗用であるから無断盗用と呼んで差し支えない。
作家は自らを守る著作権に付いてよく知っておくべきなのだが、意外と無知な人が多く、ときどき「無断引用」騒ぎが起こる。無論、唐沢俊一著作権については無知だ、ということになる。だから盗用なんかしちゃうのだ。たしなめられれば素直にあらためるのも知の用件と言えようから、そんな奴が語る雑学やトリビアなどもたかが知れている。所詮はつまみ食いでしかないのであろう。