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ラオックス・ザ・コンピュータ館が閉館

去る9/20に東京・秋葉原ラオックス・ザ・コンピュータ館(以下ザ・コン)が閉館した。
コンピュータ関連の書籍を初めて買ったのが「ザ・コン」だった。当時、仕事でMS-DOSをいじくる必要があって、何の知識もないのでかなり苦戦し、しょうがないので秋葉原に行って書籍を探してみたら「ザ・コン」に行き当たったのだった。CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATの本を買い求め、しばらくその本は私の必携書となっていた。
私が初めてパソコンを買ったのも「ザ・コン」だった。Win95が出る直前にアップグレード権付のWin3.1がプレインストールされているDellのノートブックを45万で買った。当時は大抵のノートがそうだったようにCD-ROMドライブも付いていなかったし、ネットといえばニフティなどのパソコン通信が主だった。これも仕事の必要でファイルの送受信をするため、PCカードモデムと「まいとーく」を買ったり、訳が分からなくなって何度もMS-DOSから再インストールしたりBTRONをインストールするためにパーティションを切ったりして悪戦苦闘したものだ。それでずいぶんとパソコンに詳しくなった。
それ以降、アキバに出かけると必ず「ザ・コン」を覗いて、色々なソフトやらハードやらを物色したものだ。日比谷線からアキバに出るとまず書泉の方に向かって、その角を西に曲がる。テクテク歩いて山手線高架下をくぐり、万世橋警察前の交差点を北に曲がって進む。総武線の高架あたりからゲームソフトとそれに群がる人混みを眺めつつ進み、あとは色々。ヤマギワに寄ってみたり、ゲーセンに入ってみたり。そして「ザ・コン」へ。上から下まで巡ってみて雑誌やハード、ソフトを色々と見回る。当時の仕事上、パソコンの知識・情報を価格も含めて色々仕入れておく事が大事だった。まだ、ネットは今のように気軽なものではなかったから情報といえば書籍・実見中心で、「ザ・コン」はその品揃えが質・量・バラエティともにバランスが良かった。
「ザ・コン」で時間を潰すと、いつも他のショップに寄ろうという気が起きなかった。コンピューター関連については満腹状態。帰りに書泉に寄って小説や漫画を探すぐらい。たまに「ぷらっとほーむ」に寄ったりもしたが、当時の私にはレベルが高すぎた。あそこで買ったのはLinux用のX-Windowアクセラレータぐらい。それもほとんど使わなかった。
東京を去ろうとする頃、あの辺は既に凋落の気配があった。何となく寂れ始めていたように思う。私も二台目のPCはネットで購入したし、新宿や池袋の方へ行く事が多くなり「ザ・コン」は遠くなっていた。東京に行く機会が何度かあったのだから、閉店する前にもう一度覗いておけば良かったな。
お疲れ様、そしてありがとう、「ザ・コン」。