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硫黄島からの手紙

特にする事もないので映画を見に行く。去年の元旦も映画を見ていた。確か「カンフーハッスル」を見た筈だ。今回は何を見ようか迷ったが、話題の映画ということで「硫黄島からの手紙」をチョイス。館内はほぼ満席で、端っこの席しか空いていなかったが映画が始まってしばらく経つと気にならなくなった。
台詞の聞き取りにくさや多少の違和感については、あえてそれを意識しないように注意深く観た。胃が痛くなるような救いの無い重苦しい雰囲気が続く。栗林中将やバロン西開明的態度は一局面でしかない。軍人の態度としては、栗林中将のいう通り、最後の最後まで粘り強く徹底的に戦い抜くのが正しいが、それは地獄が長くなるという事だ。投降や降参が認められていない以上、敵に殺されるか自分で死ぬか以外、地獄から逃れる方法はないわけだから、さっさと玉砕を望むのもやむを得まい。敢闘奮戦の結果としての投降あるいは撤退は、家康の三方原の戦いや秀吉の金ヶ崎撤退戦に見られるように、本来、不名誉ではないのだけれど、薩摩の野蛮人が日本を牛耳ったおかげでそれは認められなくなってしまった。江戸や大阪が焦土と化さず温存されて明治維新が行われたのも、幕府が徹底抗戦も玉砕もしなかったおかげなのに、それを忘れてしまったのだろう。
さて劇中、国内の嫌〜な雰囲気がいくつか描かれるのだが、あんな時代を賛美するバカがまだこの現代にいるのだよな。「おめでとうございます!あなたは世界殺人選手権の日本チームに選ばれました!」なんて気味の悪いこと、言いたくもなければ聞きたくもないねぇ。
観るのがつらくなる終盤、栗林と西郷の会話シーンで涙が溢れて鼻をすすってしまった。映画館で泣いたのはこの映画が初めてだ。