最近、香取慎吾主演の西遊記がテレビドラマでやってて昨日最終回だったが、1話を見て「ああ、これは学芸会だな」と見切ってしまったので見なくなった。
西遊記といえばマチャアキ。猪八戒といえば西田敏行。今観てもこの2人の掛け合いは笑える。西やん演じる猪八戒の馬鹿振りは最高。
三蔵法師を夏目雅子が演じてからというもの、日本では女性が三蔵を演じるのがフォーマットなのだが、それも含めてマチャアキのは西遊記のスタンダードみたいな存在になってしまった。後に作られた西遊記のドラマはどれもこれもエピゴーネンの域を脱せず、香取慎吾版も含めて電波の無駄遣いでしかない代物ばかり。
最近、西遊記についてネットを漁り、マチャアキ版を観て少し驚いたのだが、マチャアキ版はハチャメチャに見えて原典を意識した作りになっている(続編は別)。出てくる妖怪変化にはオリジナルのものが少なく、女人国や地湧夫人など筋を変えてあるものの原典をなぞっている。
その驚きもあって原典に興味が湧いて、でも読み通すのは骨*1なので、解説本として岩波新書の「西遊記―トリック・ワールド探訪 (岩波新書 新赤版 (666))」を読んでみた。なんでも、中野氏によると西遊記は道教思想によって緻密に構成を検討された本で、至る所にシンボリックなアイテムを散りばめてあったり、数にこだわってイベントを発生させたり、登場人物を五行観や八卦になぞらえてあるとか、大変な代物だそうなのだが、俺としては孫悟空やら登場妖怪のスペックであるとか、モデルとなった大唐西域記での玄奘三蔵の姿を知りたかっただけに、ちょっと拍子抜け。
ホテルの場所を尋ねたら、ホテルの創始者や経営理念、建築構造の話をされて、肝心の場所を教えてくれなかったような感じだ。
西遊記―トリック・ワールド探訪 (岩波新書 新赤版 (666))
- 作者: 中野美代子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/04/20
- メディア: 新書
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