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教科書で学ぶ?教科書を学ぶ?

歴史教科書と日本の戦争」を読んでいる。著者は不破哲三日本共産党のトップだった人だ。本自体は前回の採択後に出たものであるが、つくる会の路線が変わってないので、内容的には現在の状況にもフィットする。
最初は共産党のトップが書いた本だから、マルキシズムゴリゴリなのかな、と思っていたが、意外と冷静な語り口。近現代史に視点を絞ってあるのも狙いとして良い。
史実関係も割ときちんと抑えられているし、論理構成がしっかりしてて、論点もかなり明確なので非常に読みやすい。
色々とつくる会関係の本を読んできたけれども、その中でも一番に挙げて良い本かも知れない。もちろん史家の書いた本だとか、評論家、研究者、運動家の書いた本もいいのだけれど、いまいち「普通の人」向けに書かれているようには思えない節がある。教科書問題の本質を知るのに最適かと思われる。
あれれ?と思ったのが出版社が小学館ってこと。「SAPIO」みたいな雑誌出してるくせに、片方ではこんな真面目な本も出す。大人というか節操がないというか…。
歴史教科書と日本の戦争