Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

旅立つ船は〜♪

昨日、遂にマジックを1残すだけになった阪神の読売との試合を見た後、トリビアでも見ようかなとチャンネルをくりくり回していたら、NHKの「そのとき歴史が動いた」で戦艦大和の話をやっていたので、途中からでもいいやとそれを見ることにした。
ヤマトといえば波動砲。耐ショック対閃光防御。こんな事もあろうかと思って開発していた空間磁力メッキ。戦艦といいつつも大量の戦闘攻撃機ブラックタイガーを格納し、ガミラスの機動艦隊に一隻で勝ってしまうほどの空母ぶり。宇宙戦艦のくせに「下」への配慮は一切無し。
でも当時はワープとか反射衛星砲とか波動エンジンとか、SFの最先端だなぁと思っていたのだ。
今思うに地球を救うのに超兵器とはいえ船一隻ってどやねん、と思うわけだが、やはり現実の大和も超兵器ではあったが、たかが一隻の船。一匹のカブトムシよりもグンタイアリの方が強いのと同じで、大量の航空機相手には勝てる由もない。かくして大金を投じて建造した割にはあまり活躍することもなく温存され続け、大和ホテルと揶揄される始末。空母随伴で直援機を配備し、艦砲射撃で陸上を攻撃するとかだったら利用価値もあったのだろうけど。
大艦巨砲主義が時代遅れになるとは建造当時の常識の範囲外だったろうから、建艦自体は責められるべきではないかも知れないが、空母と航空機を用いた機動戦が重視されるようになってなお主力艦扱いされ、温存されつづけたことは明らかな時代錯誤だったといえよう。
こういう惰性を改めようとしない風潮は、いったん決まると後戻りを許さない公共事業のあり方を許している現在の体制にも見られる。自らの錯誤や方針転換を認めない政府のあり方は、大和と同じく沈む運命にあるのだろうと思う。