Look on the Bright Side of Things

Anderson's Blog - since 2005

馳夫さん

この間、「指輪物語」を読了した。ファンタジー系のロールプレイングゲームに多大な影響を与えた小説と言うことは知っていたが、本屋で手に取ってしまったのはこれを原作とする映画のせいだ。1作目を見た時には、なんかショボイ話だなと思い、2作目もクライマックスとなるヘルム峡谷での戦いは緊迫感があったものの、フロドがどんどん弱っていくので陰鬱なムードの映画と感じた。そのため3作目の完結編は劇場に足を運ばなかった。
完結編公開終了後しばらくしてビックカメラで買い物をしている際に、3作目のDVDが売り出されており、物語は最後まで見ないと気持ち悪いからと、溜まっていたポイントを使って安く買った。それが運の尽きだった。
ただの3作目ではなく、スペシャルエクステンデットエディション(以下S.E.E)だったので、劇場公開時カットとなったシーンを追加した上、コメンタリーもてんこ盛り、映像特典も満載の4枚組セットという内容に、まず圧倒されてしまった。映画本編も最後の決戦に向けて盛り上がりまくりで、これ以上ないクライマックスが描かれていた。しかしそれ以上に制作秘話が熱い。スタッフ達のこの映画に込めた想いが熱すぎる。
その熱気に当てられてしまったのか、前2作のS.E.Eを直ちに購入し、全てを通して見直してみたら、以前の評価がガラリと変わってしまった。この3部作は間違いなく大傑作だ。高かったので懐が寒くなったけれど。
というわけで、原作に手を出したのだった。文庫本で全9冊(追補編がもう1冊ある)。しかし、どうも原作は肌に合わなかった。映画の裏設定を知りたかったので最後まで読んでみたのだが、原著の文体もそうなのか知らないが訳文の調子が童話調なのだ。
特に、アラゴルンの別名「ストライダー」が「馳夫さん」と訳されてるのには、なんだか違和感。映画から入ったせいなのか、フロド達がアラゴルンに敬語を使って話しているのも妙な感じ(映画の字幕は原作の日本語訳をとても尊重しているのだが)。
読後感としては作業が終わったという事以外ない。映画というフィルターを通している上に、読み方が悪かったせいもあるだろうが、敬語、丁寧語だらけの文章を長々と読まされるのは、どうも肩が凝るのだ。もっとも、S.E.Eをくまなく見通そうとしたら肩が凝るどころの騒ぎではない。本編だけで12時間程度、コメンタリーは4種あるので全部聴くなら12時間×4、さらに特典映像ディスクも入れたら、どれだけ時間が掛かるかわかったもんじゃない(それでも画集以外は全部見た)。

文庫 新版 指輪物語 全9巻セット ロード・オブ・ザ・リング ― スペシャル・エクステンデッド・エディション [DVD] ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション [DVD] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション [DVD]